Vol.14 2021.02.18

クアトロ再延期と希望

先ほど公式Twitterから発表があったように、3/3のクアトロワンマン公演については見送りの決断を下すこととなった。

決定になったと言っても、同日に振替公演として藤が丘Music Farmで、本来考案していた内容に近いものをスライド開催し、振替公演を行うというものに落ち着いた。

これに伴う、「GYBがクアトロで演るワンマン」を期待していた人達に関しては申し訳ない気持ちで一杯です。
当のオレ達もその壇上に立てなかった事で肩を落とすことはもとより、オープニングアクトを決めてくれてた「ストロボサイダー」にもそうだし、何よりオレ達を追いかけて最高の景色を一緒に見たいと思ってくれてた人達に対しての申し訳なさが尋常じゃなく込み上げてくる。


コロナが蔓延して早一年が立とうとする中で、3/7までの緊急事態宣言による時短要請に準ずる公演制作に切り替えざるを得ない状況が発生し、「逆に、ゆうちゃんバンド」だけでなくお客様、ストロボサイダー、今回の公演に関わる全ての人達への心の落胆を鑑みた時に、宣言や時短に準じて無理矢理演る意味のなさを感じたのが全てだ。

今の情勢、GYBというロックを「鑑賞」するだけならそれでいいかも。
でもそれの「辛さややるせなさ」は、最初の宣言が明けた去年の夏、マスクやフェイスガード、広いフロアで一歩も動けずに、数時間声を出すことも許されない環境を経験したみんなならわかるはず。
当然、コロナ前の昔の感じを100%再現できるかどうかなんて今後の情勢によっては予想もできるもんじゃないし、かといって
「マスクなんて必要ない!騙されてるんだ!」
みたいな無根拠な発言をするつもりもない。オレの親族にも最先端で奔走する医療従事者がいる。そこへの最大限の感謝と配慮は無くすつもりなんてない。

シンプルに、会場に足を運んでくれるファンのみんなに「今日が一番楽しかった!」としっかり満足してもらえる環境作りをするのが俺たちの仕事なんじゃないの?って事。


2020年にコロナが蔓延して緊急事態宣言がでて、営業停止を余儀なくされた音楽関係各所の被害は当然計り知れないものだった。不束ながら深く理解したつもりだ。
じゃあそれを生業にしてきた方々、最初の宣言が開けて、実際にチケットを買ってお金を払ってくれるお客さんに苦しい思いをさせて、いろんな制限を設けて、
「無事に開催されましたね、よかったですね!」
とか、
「これで我々も無事に生活できるってもんですよ。」
とか、
思ってるんだとしたらバカバカしいなって。

お前ら何の為にその業種ついてんだ?て唾を吐きたくもなる。

オレもウラカタで成長していこうと思っていて、なおかつ演者も奔走している身としては、普段から日常で感じる事のできない「非日常」を体感してもらうことによって得た感動。
その感動をもとに日々の日常を頑張れる。
そういう人々の暮らしや心を豊かにする。
その手助けをするのがオレ達演者や裏方の仕事なんじゃないの?って。
どこかでお客さんが入ってくる事が「当たり前」だと思ってるんだとしたら、そいつらは一旦考え直した方がいい。そんなんで、催しにきてくれるお客さんに「非日常」なんて与えられないわな。やめちまえ。


話はズレたけど、いま人気のアーティスト達も、最初っからファンなんていない。
小さな積み重ねや、ちょっとしたキッカケでいろんな人がその音楽に背中を押されながら日常を過ごし、より身近に「非日常」を感じるために、その瞬間にお金を払って見にきてくれてるんだ。
会場やレーベル、所謂事務所といった人達(一応オレもそれになるのか?でも演者もやってるしな。)は、その人達の手助けをしているのだ。もちろんそこには共存共栄、持ちつ持たれつの関係が不可欠ではあるが、根本その「アーティスト」が作品を作ってライブをするから成り立っているわけだ。そのアーティストの「想い」に共感してくれて、その相思相愛の関係が、遠い距離であってもその瞬間に一堂に介して、素晴らしい空間を体現する為にあるんだ。
そのアーティストとお客さんの相思相愛の関係を少しでも欠いてしまえば、そんなもん非日常でも何でもない。オレ達GYBの仕事はあくまで、「お客さんを最高に楽しませる」ということに尽きる。


話は変わるが、オレらは最初の宣言が明けてからというもの、徐々に恵まれた環境に身を置いている。
GYBが再始動した当初は、ゆうちゃんとよしくんがステージにしがみついて始まり、そこに仕事で忙しいジジイのオレが加わり、それをまこが支えてくれて、にしだぱんかマミタスがドラムを叩いてくれている。
それこそ、始めた当初なんて、思い通りにいかない事は愚か、本番中にヤジが飛んでくるなんてことも余裕であるぐらいだった。
だがしかし最近はどうだ?
このコロナ禍であっても腐る事なく制作に励んだのも、いまこの瞬間にGYBを信じてくれている人達のことだけを考えて動いたからであって、それに気づいてくれている、もしかしたらいまコレを見てくれている君たちと出会う事ができた。
いままでオレ達のワガママを通してくれてた藤が丘Music Farmだけでしかまともに演ることができなかったのが、名古屋でもいろんなライブハウスの人たちが肩を貸してくれるようになったり、東名阪でもライブハウスやイベンターさんが目をかけてくれるまでになっている(気がする)。


これはあくまでオレの主観ではあるが、GYBには負のメンタルを背負う理由がない。

オレは自分が裏方として仕事をさせてもらいながらも、この歳で現役表現者としていさせてもらえてるという事。当然若いものには劣るが、やらせてもらってる以上負けねーよ?という思いで食い潰すつもりでやってる。
何よりオレ自身、いつくたばるかわからない中で、オレが曲がりなりにも培ってきた知識と経験を若い二人に落とすつもりで楽曲制作などのコンポーズをしている。
仮にオレが退くようなことがあったとしても、それを糧にまだ延命できるといったビジネス面での強みがある(この3人じゃないとGYBじゃないという論点は置いておいて)。

よっちゃんは、自分で会社を設立した以上、いまはこの形式が一番結果を残す可能性を秘めていると日々感じているのだ。
設立時に描いた夢こそうまくいったものではなく、沢山の損害を被ってるなかで、それでも一番の可能性にしがみつく辺りは、何とも社長らしいっちゃ社長らしい。
それが故にぶつかり合いも絶えないが、それも単に、もう2度と戻ってこない若い時期に悔いのない人生を送る事に全力だから。
すでに若かりし頃を終えてしまったせんむを隣に置いてるんだから余計に痛感してると思うよ!
っていうのは冗談で、よく口ずさんでるけど、せんむに最高の景色を見せてあげたいんだと!

そしてそれはいすいもきっと一緒だろうし、何よりアイツは自分の夢を叶えたいと誰よりも思っている。
創成期のGYBが粉砕してから泥々のしがらみに振り回された中心人物なわけで、
もちろん本人の幼少期には色々とメディアに出演してきたらしいが、それは華々しく見えるようで、地獄絵図のような経験を強いられてきている事を想像すると、本人の立場になっても、作詞作曲ができるとか、流暢に楽器が弾けるとか、マーケティング戦略ができるとか、そういう事に頼らず自分の魅力と歌だけで、自分の意思で行動した時にしっかりとその道を形成させ結果に結びつけてる張本人なのだ。


重複するかもしれないけど、結局はそれは誰のためなの?
もちろん自分の為でもあるんだけど、そもそもGYBの世界に共感してくれてる人達がいてくれてるから、その人達に沢山の「夢」と「幸せ」を与える為なんだよね。

だからこんな情勢に振り回されたり、自分の事しか考えてないような裏方(オレはそうはなりたくない)、胡座をかいた大御所には、首を傾げるし、GYBが優先して考えることは、知り合ってくれた、信じてきてくれたみんなに対して、最高の瞬間を提供し、心を満たしてもらい、また次からも頑張ろう、GYBと最高の景色を一緒に体感したい!
って思ってもらう事がいちばん優先されての今回の判断です。


先述したけどさ、メンバー3人誰もがぴんぴんしてるし、上に書いた内容を忘れちゃいない。
だからこそこんな奇跡がいつまで続くかわからないし、GYBの世界に勇気づけられたりとか、背中を押してもらえたと思ってくれたとしたら、まだまだみんなを喜ばせる事をめちゃめちゃ考えてるし、実は水面下で動いてるのは事実。

クアトロ再延期は心苦しいが、そんな事よりももっと面白い事が次のクアトロで待ち構えてるのかもしれないと思うと、楽しみで仕方がないよね!(←フリ)


オレたちはもっともっと面白い事を考えてるので、楽しみにしてて欲しいなと思うわけですわ。


あー!もう! こんな事がなければ、本当は「Precious One」の事とか「灰色と夜明け」の事とかをコラムに書きたかったのに!!
コロナ!ばか!!

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